はつ恋

こんなにも誰かの事を愛せるなんて

別れ


物件探しは難航するかと思いきや

意外にも早くみつかった



旦那が今の家で使っている家具も

家電も持って行っていいと 言っていたので


引越しの見積もりも、旦那のいない時間に

来てもらい、引越しの手配も済んだ



着々と離婚への準備が進む中、

私は彼に離婚する事を伝えた





彼の奥さんが仕事に復帰して、朝早くに

出かけるから夜も早く寝たいんだけど


彼が先に寝てていいと言っても

彼の夕飯を作る為に起きて待ってるらしく


早く帰りたい彼の為に

少し遠出をして会社と彼の家の中間位の

電灯もないような暗い駐車場で待ち合わせ




彼に離婚する事を告げると、驚いて

自分が原因か?と聞いてきた

そうではないと言うと考え直すように

言ってきた


私の考えは変わらない事、離婚の準備も

進めている事を言うと彼は


「それなら この関係も終わりにしよう」




何でそうなるのか私にはわからなかった



W不倫だからこそのお互いの家庭を

壊さない、暗黙の了解の元の関係だった事


私がフリーになれば彼の家庭を壊そうと

するかもしれない事



「何で? 私は離婚しても今までと何も

変わらないよ」



3年も一緒にいてそんな事もわからないの?


つい最近だって奥さんと話した時だって

嘘をつき通したのに



色々な思いが頭の中で駆け巡り

言葉にならない  涙がこぼれた



「やぁだ 別れたくない」


泣いてすがるなんて一度もした事ない私が

泣きじゃくりながらやっと言った一言




これからの子供達の事とか全部の責任が

私にかかってくる 凄く不安だった

誰かに寄り添っていたかった


なのに旦那とも離婚して

彼とも別れ 一人で生きていくなんて

無理だと思った





泣きじゃくる私をそっと抱き寄せ

頭を撫でながら


「ごめんな」



そう言った彼は私を暗闇に残して

奥さんの待つ家へと帰って行った