はつ恋

こんなにも誰かの事を愛せるなんて

彼との密会は



平日はお互い 疲れに負けて 逢えない日が

増えたけど、その分 土日に逢える時は

濃密に過ごそうねって話し合った

      


土曜日は彼の仕事に合わせて、

午前中が仕事なら午後から夕方まで



休みなら彼は奥さんに仕事だって

うそをついて、朝から夕方まで一日ホテルに

お篭りコース



長い時間一緒にいられるのは嬉しいけど


する事したら携帯のアラームをセットして

「ちょっとだけ寝る」

って言う彼


もう少し余韻に浸ったりしたいのに寂しい 


それでも彼の腕まくらで私も寝る事にしよ



先に彼の寝息が聞こえると

私は 眠れなくなる



彼を起こさないようにそっと

こっちに寝返り

あっちに寝返り



眠れない

つまらない

淋しい



そっと起き出して携帯見たり

また彼の隣で横になったり



やっと起きた彼とまたイチャイチャして

二回目求められたりして




おしゃべりしながら髪の毛をさわさわしてくる

彼に寄り添って 幸せな時間



「また来ようね」



奥さんに怪しまれないように時間を逆算して

早めに帰り支度




別れ際、私の車からコソコソ自分の車に

乗り込む彼



バイバイって手も振らないし

一度も振り返らないし


敢えて素っ気なく

そうするって前に聞いてたから

私も彼の方は見ない


強がってはみるけれど 私の一番淋しくて

悲しい瞬間